ウィッグは普通のシャンプーで洗える?専用との違いと正しい洗い方

ウィッグはおしゃれや医療用途など、日常生活を支えるアイテムの一つとして定着しています。しかし、最近購入した方であれば特に「どうやって洗えばいいのか分からない」「傷めずに長持ちさせるにはどうしたらいいのか」と悩む方も少なくありません。素材ごとの違いや専用シャンプーの必要性を知ることで、より適切なケアが可能になります。

当記事では、ウィッグの洗い方や保管時の注意点まで丁寧に解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • ・はじめてウィッグを購入・使用し、正しい洗い方や手入れ方法が分からない方
  • ・市販のシャンプーがウィッグにも使えるのか知りたい方
  • ・ウィッグの素材(人毛・人工毛・ミックス毛)によるケア方法の違いを知りたい方

ウィッグは普通のシャンプーで洗える?

ウィッグは普通のシャンプーで洗える?

ウィッグは基本的に普通のシャンプーでも洗えますが、できればウィッグ専用のシャンプーを使用するほうが長持ちしやすく、見た目の美しさも保ちやすくなります。特に人工毛ウィッグの場合、普通のシャンプーに含まれる成分が繊維を傷める原因になることもあるため注意が必要です。

やむを得ず普通のシャンプーを使う場合には、泡立てて優しく洗うことを心がけ、洗い残しがないようにしっかりとすすぐことが大切です。

普通のシャンプーとウィッグ専用シャンプーの違い

ウィッグを長く美しく使うためには、専用のシャンプーを使用することが推奨されています。一般的な市販のシャンプーは人の髪と頭皮のために作られており、ウィッグにとっては洗浄力が強すぎたり、保湿成分が過剰だったりすることがあります。ウィッグに成分が合わず、ウィッグのベタつきや繊維の痛みにつながる可能性もあるため、注意が必要です。

一方、ウィッグ専用のシャンプーは、人工毛や人毛ウィッグに適した洗浄力に調整されており、毛材を傷めずに汚れや皮脂をやさしく落とせるように設計されています。絡まり防止の成分が含まれていることも多く、ウィッグの扱いやすさや持ちの良さにもつながります。香りや泡立ちもウィッグ用に工夫されており、快適にケアができる点も魅力です。

ウィッグの洗う頻度

ウィッグを洗う頻度は使用頻度によっても異なります。毎日使用する場合は10日〜2週間に1回程度の頻度で洗うようにしましょう。夏場は汗をかきやすくウィッグも汚れやすくなるため、1週間に1回程度で洗うのがおすすめです。しかし、ウィッグは洗い方によって劣化が進む可能性もあるため、丁寧に洗うよう心がけましょう。

また、においや汚れが気になり頻繁に洗いたいと思う方もいるかもしれませんが、必要以上に洗うとウィッグの劣化を早めてしまう場合もあります。普段は消臭スプレーを使用したり、くしでといたりしてケアしましょう。

素材別のウィッグの洗い方

素材別のウィッグの洗い方

ウィッグと一口にいっても、人工毛や人毛、ミックス毛など素材によって構造が異なります。そのため、素材ごとに適した洗い方を知っておくことが大切です。間違った方法で洗ってしまうと、毛の絡まりや変形、光沢の喪失などにつながることがあります。

洗髪には、ウィッグ専用のシャンプーやコンディショナー、洗面器やタオル、ブラシ、スタンドなどが必要です。以下では、素材別に適したウィッグの洗い方を解説します。

人毛100%のウィッグの洗い方

人毛100%のウィッグは、本物の髪に近い性質を持つため、扱いや洗い方にも注意が必要です。以下の手順で丁寧に洗いましょう。

1. ぬるま湯(30~35度)で洗う準備をする
洗面器にぬるま湯を張り、シャンプーをよく溶かしておきます。

2. ブラッシングで汚れと絡まりを取り除く
毛先から根元に向かってやさしくブラッシングします。

3. つけ置きと洗浄
5〜10分ほどシャンプー液に浸した後、毛先→中間→根元の順にとかし洗いを行います。

4. リンス・すすぎ
リンスを溶かしたぬるま湯に浸し、同様にとかしすすぎをします。

5. 乾燥とスタイリング
タオルで水気を取り、ウィッグスタンドに置いてドライヤーやアイロンでスタイリングします。

ミックス毛のウィッグの洗い方

ミックス毛(人毛と人工毛の混合)はデリケートな素材のため、やさしく洗うことが大切です。

1. 常温の水で準備する
洗面器に水を張り、専用または普段使いのシャンプーを溶かします。

2. ブラッシング
毛先からやさしくとかし、もつれをほどきます。

3. つけ置き洗い
ウィッグを5〜10分間浸し、擦らず軽く押し洗いを行います。

4. リンス処理
リンスを溶かした水にくぐらせて、やさしくすすぎます。

5. 乾燥と整髪
タオルで水気を取り、半乾きの状態でスタンドにかけて軽くブラッシングします。
乾燥後、専用スプレーとブラシで整えましょう。
※ホットカーラーや高温アイロンの使用は避け、冷風ドライヤーのみ使用します。

人工毛のウィッグの洗い方

人工毛ウィッグは熱に弱い傾向にあるため、洗い方に特に注意が必要です。

1. 水で洗髪準備をする
洗面器に常温の水を張り、シャンプーを溶かします(ぬるま湯・熱湯はNG)。

2. ブラッシング
乾いた状態で軽くブラッシングし、絡まりを取ります。

3. つけ置き洗い
5〜10分間シャンプー液に浸し、やさしく押し洗いします(もみ洗い禁止)。

4. すすぎとリンス
新しい水にリンスを溶かし、ウィッグをくぐらせてすすぎます。

5. 乾燥とスタイル整え
タオルで水分を包み取ったあと、濡れた状態でスタンドにかけて自然乾燥させます。
完全に乾いたら、専用スプレーとブラシで仕上げます。
※ドライヤー・ホットカーラー・アイロンは使用を避けましょう。

 

ウィッグを洗って保管するまでの注意点

ウィッグは繊細な素材でできているため、日頃の取り扱いやお手入れ次第で見た目や耐久性が大きく変わってきます。特に洗った後の扱い方や保管方法に注意することで、型崩れや毛の傷みを防ぎ、長くきれいな状態を保つことができます。

以下では、ウィッグを洗った後に気を付けたいポイントや、正しい保管方法について解説します。

高温のお湯を使うのは避ける

ウィッグを洗う際は、高温のお湯の使用を避けましょう。特にミックス毛や人工毛のウィッグの場合、繊維が熱に弱い傾向にあり、40度以上のお湯を使用すると毛が縮れたり、ツヤが失われたりする恐れがあります。変形や劣化を防ぐためには、25〜30度程度のぬるま湯がおすすめです。

また、人毛ウィッグであっても熱によってキューティクルが開き、乾燥や傷みにつながることがあります。洗髪時は、やさしくぬるま湯で洗い流すことを心がけましょう。

直射日光で乾燥させない

ウィッグを乾燥させる際に直射日光を当てるのは避けましょう。人工毛ウィッグはナイロンやポリエステルなどの合成繊維でできており、紫外線や熱によって繊維が劣化しやすいという特徴があります。直射日光に長時間さらすと毛が乾燥して硬くなったり、もろくなって切れやすくなったりすることがあるため注意が必要です。

人毛ウィッグも同様で、強い日差しに当てると髪の水分が失われ、パサつきやきしみの原因となります。せっかくの自然な質感が損なわれるおそれがあるため、乾燥時は必ず風通しの良い日陰に置き、自然乾燥させることが基本です。

また、ドライヤーを使用する場合は、熱風ではなく必ず冷風を使用しましょう。高温の風はウィッグの毛材を傷め、変形や光沢の喪失につながることがあります。ウィッグは繊細な素材のため、やさしい扱いを心がけましょう。

ウィッグスタンドを使って保管する

ウィッグを長くきれいに使うためには、保管時の扱いも重要です。特に洗った後や使わないときには、ウィッグスタンドを使って保管するのがおすすめです。スタンドにかけておけば通気性が保たれ、内側までしっかり乾きやすくなります。

また、型崩れや毛の絡まりを防げる点もメリットです。箱や袋に入れて押しつぶすと、毛の流れが乱れてしまうことがあります。保管場所は直射日光を避け、風通しの良い場所を選びましょう。乾燥が不十分なまま収納するとカビの原因になるため、完全に乾いてからしまうのもポイントです。

まとめ

ウィッグを清潔に美しく保つには、素材に合った洗い方と正しい保管が大切です。市販のシャンプーでも洗えますが、専用シャンプーを使用することで繊維を傷めず、見た目の美しさや質感をより長く保つことができます。

人毛、ミックス毛、人工毛では適した洗い方が異なり、それぞれに合った方法を選ぶことが大切です。洗った後は直射日光や高温を避け、ウィッグスタンドで型崩れを防ぎながら自然乾燥させると、長く快適に使用できます。