ウィッグに最適なヘアアイロンの温度は?使い方やケア方法も解説

ウィッグの中には、ヘアアイロンを使ってスタイリングできるものがあります。ヘアアイロンの使えるウィッグであれば、カールを巻き直したり、ストレートに伸ばしたりと、自由なアレンジが可能です。ただし、ウィッグの素材によっては熱に弱いものもあるため、使用前には必ず確認が必要です。

当記事では、ヘアアイロンが使えるウィッグの適切な温度とヘアアイロンのかけ方、またウィッグのケア方法について解説します。

【この記事はこんな方におすすめです】

  • ・ウィッグを日常的に使用している方
  • ・ウィッグのアレンジに興味がある方
  • ・ウィッグのスタイルが崩れて困っている方

【重要】ウィッグにヘアアイロンを使う前に確認すること

【重要】ウィッグにヘアアイロンを使う前に確認すること

ウィッグにヘアアイロンを使用する前に、まず確認すべきなのが「耐熱性」です。ウィッグには主に人毛タイプと人工毛(化繊)タイプがあり、人工毛ウィッグの中には熱に弱く、ヘアアイロンの使用で変形・溶解してしまうものもあります。特に、耐熱性のないファイバー素材のウィッグは注意が必要です。

タグや商品説明に「耐熱」「アイロン可」と明記されているか必ず確認しましょう。見た目では判断がつかないため、誤って使用するとウィッグが台無しになる可能性もあるため注意が必要です。

ウィッグに最適なヘアアイロンの温度

ウィッグにヘアアイロンを使用する際は、ウィッグの髪質に応じて適切な温度設定を行うことが大切です。ウィッグは大きく分けて「人毛」と「人工毛(ファイバー)」「ミックス(人毛と人工毛)」に分かれ、それぞれ耐熱性が異なります。

人毛ウィッグの場合は、一般的な髪と同様に180〜200℃程度まで対応できるため、通常のヘアアイロンの温度でも使用可能です。 ただし、過度な高温での長時間使用は髪質の劣化を招くため、130〜150℃くらいの低めの温度を利用するのが安全です。

一方で耐熱性のある人工毛ウィッグは、120〜160℃が推奨されます。それ以上の温度では繊維が縮れたり溶けたりするリスクがあるため、必ず製品に記載された温度範囲を確認しましょう。ミックスに関しても人工毛が使われているため、同様の低温でヘアアイロンを利用しましょう。

ウィッグにヘアアイロンを使うときの流れ

ウィッグを巻くのはコツが必要で、慣れていないと失敗することもあります。自信がない場合は購入した店舗に相談し、専門スタッフにスタイリングを依頼するのもおすすめです。

一方で、自分でチャレンジしてみたい方は、以下の手順を参考にしながら少しずつ練習してみてください。

ウィッグを装着し毛流れを整える

ウィッグにヘアアイロンをかける際は、ウィッグを装着した状態でスタイリングするのが基本です。マネキンや台座にセットして巻く方法もありますが、実際に着用した方が毛の生え方やボリューム、位置が自然に整いやすく、仕上がりも美しくなります。

装着後は、目の細かいコームやウィッグ専用ブラシで毛流れを丁寧に整えましょう。寝ぐせのようなクセや絡まりを放置したまま熱を加えると、クセがそのまま定着してしまう恐れがあります。また、熱を加える前に髪の向きを整えることで均等にアイロンがあたり、ムラのないカールやストレートに仕上がります。毛流れを整えることでウィッグを長持ちさせながら、より自然なスタイルを作ることができます。

少量の毛束ごとに分けてヘアアイロンを当てる

ウィッグを綺麗に整えたら、ヘアアイロンをかけていきます。ヘアアイロンを当てていく際には、一度に広い範囲を巻こうとせず、毛束を少量ずつ取って丁寧に施すことが重要です。ウィッグの繊維はデリケートなため、熱が均一に伝わりにくい大きな束で巻くと、巻きムラやダメージの原因になってしまう可能性があります。また、少量ずつ分けることでスタイルの微調整がしやすくなり、全体のバランスも整いやすくなります。

市販のクリップなどを使用してブロッキングした後は、毛先からヘアアイロンをかけていきましょう。ヘアアイロンは設定した温度でしっかり温まっていることを確認してから使用すると、よりきれいに仕上がります。

ヘアアイロンを当てた毛束を冷ます

ウィッグにヘアアイロンを当てた後は、毛束をそのまま手で持って冷ます時間をとることが綺麗に仕上げるポイントです。ウィッグの髪質は熱を加えると形が変わり、冷ますと固定される性質を持つものが多いため、ヘアアイロンを当てた後に手で持って冷ますと、形づけたカールやストレートを安定させ、持ちがよくなります。

カールを作った場合は、巻いた状態をキープしたまま手で軽く包み込むようにして冷ましましょう。逆に、冷める前にブラシなどで触ってしまうと形が崩れやすくなるため注意が必要です。

ヘアアイロンを使った後のウィッグのケア方法

ヘアアイロンを使った後のウィッグのケア方法

ヘアアイロンでスタイリングした後のウィッグは、熱による乾燥や傷みが進みやすくなっています。ウィッグを美しい状態で長く使うためには、使用後の適切なケアが大切です。以下では、お手入れの手順やポイントを小見出しごとに解説していきます。

オイルやミストで保湿をする

ヘアアイロンを使用した後のウィッグは、熱によって繊維が乾燥しやすくなっているため、保湿ケアが非常に重要です。乾燥したまま放置するとパサつきや静電気、毛先の広がりなどが起こり、ウィッグの劣化を早める原因となります。

保湿ケアとして、ウィッグ専用のオイルやミストを使いましょう。軽くスプレーすることで静電気を抑えながら毛流れを整え、指通りの良いなめらかな質感を保てます。特に人工毛は人毛より乾燥しやすいため、日常的なケアとしても取り入れるとよいでしょう。

保湿アイテムは毛先を中心に、全体にムラなくなじませるのがポイントです。使用後はブラシでやさしくとかし、スタイルを整えてから保管します。

必要に応じて洗髪する

ウィッグにスタイリング剤を使った場合や、皮脂・ホコリなどの汚れが気になるときは、適切なタイミングで洗髪することも大切なケアのひとつです。特に人工毛ウィッグは、汚れが蓄積すると絡まりや静電気の原因となる場合もあります。

洗髪の際は、ウィッグ専用のシャンプーを使用し、ぬるま湯に浸してやさしく押し洗いしましょう。強くもみ洗いすると繊維が傷むため、手のひらで丁寧に洗うのがポイントです。

自然乾燥でしっかりと乾かす

ウィッグを洗ったあとは、自然乾燥でしっかりと乾かすことが大切です。ドライヤーの高温風は人工毛を傷める恐れがあるため、直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干ししましょう。

自然乾燥を行う前には、乾いたタオルでウィッグ全体の水分を優しく押さえ、余分な水分をしっかり吸収します。ゴシゴシこすらず、やわらかく包み込むようにタオルドライするのがポイントです。十分に乾かさずに収納してしまうと、カビやニオイの原因になる可能性があります。ウィッグの寿命を縮めないためにも、自然乾燥の工程を丁寧に行いましょう。

ウィッグスタンドで保管する

ウィッグを使用したあとは、専用のウィッグスタンドにかけて保管するのが理想的です。ウィッグスタンドを使うことで、通気性を確保しながら自然な形を保てるため、スタイルの崩れや湿気による劣化を防げます。

特にヘアアイロンでスタイリングを施したウィッグは、形状をキープするためにも型崩れのない状態での保管が大切です。平らな場所に置いたり、袋の中に詰め込んだりすると、カールがつぶれたり絡まりが発生する原因になります。長期間使用しない場合は、スタンドにかけた上でホコリよけのカバーをかけるとより衛生的です。

ヘアアイロンを使えないウィッグの対処法

ヘアアイロンを使えないウィッグの対処法

耐熱性のないウィッグには、ヘアアイロンを使用すると繊維が溶けたり縮れたりする可能性があるため基本的に使用できません。ヘアアイロンの使えないウィッグには、熱を使わないスタイリング方法として「カーラー」を使うのがおすすめです。

特にマジックカーラーやスポンジカーラーなどは髪を巻くだけで自然なカールをつけられるため、ウィッグにもやさしいアイテムです。ただし、表面が毛羽立ったカーラーや粗い素材のものは、ウィッグの繊維に引っかかって絡まりやすく、毛を傷める原因になるため避けましょう。

まとめ

ウィッグにヘアアイロンを使用する際は、ヘアアイロンの温度に耐えられるウィッグか、まず耐熱性の確認が大切です。人毛ウィッグは比較的高い温度にも耐えられますが、ウィッグが傷まないように低い温度でヘアアイロンを当てましょう。ヘアアイロンを当てるときには先にくしで整えて、熱を当てた髪の毛は手で持って冷めるのを待つことで綺麗に仕上がります。

人また、必要に応じてケアミストやオイルを使用したり、洗髪したり、スタンドで保管したりしてウィッグが痛まないようにするのも大切です。